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南太平洋の島国キリバスはサンゴ礁しょうの上にある面積約730㌔平方㍍、人口約?万人の小国だ。?の平らな島々からなり、標高の平均は2~3㍍ほど。海面上じょう昇しょうの影えい響きょうを受けやすく、?温おん暖だん化で最初に沈しずむ国?の一つとされる。2015年3月、大型サイクロン?パム?が、いままでサイクロンが来ない赤道地帯とされていたキリバスをかすめた。その結果、キリバスの首都タラワの沿えん岸がん部、ビゲニコーラ集落に大量の海水が押おし寄よせた。?強風が吹ふき、夜中に床ゆか上うえまで海水が入ってきて、最後は胸むねの高さにまで達した。朝に水が引くまで皆みなで神に祈いのった。6歳さいの孫娘が?沈しずむのはいや。逃にげる船をつくって?と頼たのむんだ。ここを離はなれる日が近づいていると実感した?。集落長のエリア・マエレレさん???は暗い表情で振ふり返かえった。この集落では?年ほど前から大おお潮しおのときに海水が入り始め、ひざ下まで浸しん水すいするようになっていた。?地球温おん暖だん化かはここでは現実だ。先進国は支し援えんしてほしい?。マエレレさんは訴うったえた。海面上じょう昇しょうの影えい響きょうで住み慣れた土地を捨すて、村ごと移住した例もある。キリバス・アバヤン島沿えん岸がんのテブンギナコ村。海岸線の防護壁へきが崩くずれ落おち、無人の村の家々の中には貝かい殻がらが散さん乱らんしている。ヤシの木は根こそぎ倒たおれている。海面上じょう昇しょうの影えい響きょうで、テブンギナコ村の住民たち200人以上は、住み慣れた沿えん岸がん部の土地を離はなれ、島の内陸部へ引ひっ越こした。大おお潮しおになると、身長を超こえるほどの海水が村に押おし寄よせるようになったからだ。しかし、移住先の内陸部でも異い変へんが起きている。テブンギナコ村の元村人、アアタ・マロイエタさん???が移住した、海から100㍍ほど離はなれた村でも最近、道が海水につかった。?でも逃にげ場ばがない。島はだから?とアアタさんはいう。海水の流入は、他にも井い戸ど水に塩分が入はいり込こんだり、土ど壌じょうの塩分濃のう度どが高まったりするなどの塩害を引き起こしている。キリバス政府は2014年、南太平洋の島、フィジーに約?平方㌔の土地を買った。キリバスのアノテ・トン大統領は?海面上じょう昇しょうや塩害で耕作地がなく迫せまる海、村を捨すてた2015年5月17日掲けい載さい読解7【水すい没ぼつの危き機きに直面する南太平洋の島々】 ツバルやキリバスなど、南太平洋に浮うかぶ多くの小さな島国は、地球温おん暖だん化による海面上じょう昇しょうの影えい響きょうで、水すい没ぼつの危き機きに直面している。これらの島国の中には、将しょう来らいに備え、島全体で他の島や地ち域いきに移住することを計画している国もある。キリバス 沈しずみゆく島国46〈2015年5月22日掲けい載さい〉写真A写真Bキリバスの中心、タラワ環かん礁しょう。標高が低く平地が続く。キリバスの他の島々も同様の地形をもつ=2007年村人が去ったテブンギナコ村。大おお潮しおになると人の身長より高く海水が入はいり込こ む。潮しおが引くと倒たおれた木々がむき出しになる=2015年、キリバス・アバヤン島バヌアツオーストラリアニュージーランドフィジーキリバス2780㌦(2013年、世界銀行)ココヤシの果実の胚乳を乾燥させたもの漁業、コプラの生産約10万人730km2(対馬とほぼ同じ)面積人口主な産業1人当たりの国民総所得はいにゅうかんそうつしま