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概要

今解きL1サンプル

は、自し然ぜんの森を切り開いてまで人工林に置お き換か えようという動きについて、疑ぎ問もんに思う人たちが増ふ えてきた。経け い済ざ いは発はっ展て んしたが、身近な自し然ぜんが次々と失うしなわれていったからだ。 今は世界自し然ぜん遺い産さんに登と う録ろ くされている屋や久く島しま( 鹿か児ご島しま県)や白し ら神か み山さ ん地ち (秋田、青森両県)、知し れ床とこ(北海道)でも、かつては森林を切る計画が持ち上がり、大きな反対運動が起こっていた。 1990年代に入ると、森林の価か値ちを見直そうという動きは、さらに広がっていく。 1992年にブラジルで開かれた地球サミットでは、地球温お ん暖だ ん化を防ぼ う止し したり、生物多様性せいを守ったりするための国こ く際さい条じょう約や くができたが、同時に森林の保ほ護ごを求も とめる声明も採さ い択たくされた。1997年にまとめられた京都議ぎ定てい書では、大気中の二に酸さん化か炭たん素そ を吸きゅう収しゅうする森林の働はたらきに価か値ちが与あたえられた。各かっ国こ くが温室効こ う果か ガスの量りょうを減へ らす目も く標ひょうをたてる時に、森林を守り育てることで増ふえた二に酸さん化か炭たん素そ の吸きゅう収しゅう量りょうを加く わえることができるようになったのだ。 同じような考え方で、カーボンオフセットという取り組みも生まれた。自分が出した二に酸さん化か炭たん素そ の排は い出しゅつ量りょうを、森林を育てる費ひ用ようの一部を出すことで帳消しにしようという考え方だ。 森林を守り育てる企き 業ぎょうも増ふ えている。熱ねっ中ちゅう症しょうなど健け ん康こ うへの被ひ害がいを防ふ せぐために、都市のなかに木々を増ふ やして、都市を冷ひやそうという試こころみも国内外で広がっている。 温おん暖だ ん化か対たい策さ くという観か ん点て んからは、森林を再ふたたび資し源げんとして活用しようという試こころみも注目されている。 温おん暖だ ん化を止めるためには、将しょう来らい的て きに二に酸さん化か炭たん素そ が出る量りょうをゼロにしないといけないという。森林から作った燃ね ん料りょうは、石炭などの化石燃ね ん料りょうと違って、二に酸さん化か炭たん素そ が出る量りょうをゼロにできる。森林は一度切っても、きちんと苗な え木ぎ を植えれば、森へと育つ間に、再び二に酸さん化か炭たん素そ を吸きゅう収しゅうしてくれるからだ。 森が育つスピードを上回らないように木を切れば、森林が減へ ることはなくなる。使い方によっては鉄やコンクリートの代わりにもなる。 こうした「持じ続ぞく可か能のうな利り用よう」を目指した取り組みが各か く地ち で始まっている。①日本では戦せ ん後ご 、植林が進んだおかげで、森林資し源げんが増ふ えた。ただ、手入れされていない人工林が多い。②世界では今も森林破は壊かいが進んでいる。世界の森林面め ん積せ きは過か去こ20年間に135万平方㌔メートルも減った。③森林が壊こ わされると、地球温お ん暖だ ん化が進む。そのため、森林を守る動きが広がっている。特とく集しゅうのまとめ世界自し 然ぜん遺い 産さんに登とう録ろくされる前の屋や久く島しまでは、国による国有林の伐ばっ採さいが進んでいた。写真の左ひだり側がわは、住じゅう民みんの保ほ護ご運動で守られた照しょう葉よう樹じゅ林りん=2010年11月、鹿か児ご島しま県屋や久く 島しま21