ブックタイトル今解きＬ１サンプル

概要

今解きＬ１サンプル

興こうのために、より一いっ層そ う、木も く材ざいが必ひつ要よ うになった。　必ひ つ要よ うな木もく材ざ いをまかなうため、国は森林を大おお幅は ばに増ふ やす政せ い策さ くを取り始める。木がほとんど生えていない荒あ れ地への植林が進み、森林の面め ん積せきは劇げ き的てきに増ふ えていく。さらには広こ う葉よ う樹じゅが生えている森を切り開いてまで、成せい長ちょうの早いスギやヒノキを植えていった。家庭用の燃ね ん料りょうも、たきぎから、電気やガスなどに代わり、里山の木が切られることもなくなっていった。　　森林大国「日本」　そして日本は、今や国土面めん積せ きの約や く３分の２を森林が占し める「森林大国」になった。先進国の中でも、国土に占し める森林の割わ り合あいは、フィンランド、スウェーデンに次いで３ 位い だ。　また、森林資し源げんの量りょうを森に生えている木の体た い積せきで示す森林蓄ち く積せき量りょうも、およそ?0年間で２・６倍に増ふえた。　見た目は豊ゆ たかな緑が回かい復ふ くしたが、その中身を見ると、喜よろこんでばかりはいられない。人の手でつくった森林は人工林と呼よばれ、長い年月をかけて人の手で育てていく必ひ つ要ようがある。それにもかかわらず、ほったらかしにされている人工林が増ふ えているからだ。　日本の森林の４ 割わ りは、主に戦せ ん後ご に植えられたスギやヒノキなどの人工林だ。人工林づくりは、苗なえ木ぎ を１００㍍四方に数千本と密み っ集しゅうさせて植えることから始まる。成せい長ちょうに応おうじてだんだんと数を減へらす間か ん伐ばつという作業を繰く り返か えして、?0年ほどの時間をかけて、数百本ほどの太い樹じ ゅ木も くに育てていく。　間かん伐ばつがされないと、たくさん樹じ ゅ木もくが生えていても、１本ずつはもやしのように細いままで、根が十分に張は らない。地面まで太陽光が入らないため、下草も生えない。そうなると森林全体で地面を押お さえつける力が弱くなり、ひとたび大雨が降ふ ると、土ど砂しゃが流れ出す災さ い害がいが起こりやすくなるといわれている。　森林を守り育てていく林業には、人手もお金もかかる。だが価か格かくの安い外国産さんの木も く材ざいに押お され、国こく産さ んの木も く材ざいの価か格かくは下がってきた。そのため、木を切って売っても、再ふたたび木を植えるのに十分なお金を得え られなくなってきた。山村の人口も減へ って、林業をする人を確か く保ほするのも難むずかしくなっている。　最さい近き んは野生のシカが増ふ えすぎたために、林業に被ひ害がいが出るようにもなってきた。シカはエサが足りなくなると、樹じ ゅ木もくの皮を食べ、枯か らしてしまう。野生生物による森林の被ひ害がい面め ん積せ きは年１００平方㌔メートル近くになっている。　また、今後は地球温お ん暖だん化も影え い響きょうを及お よ森林資源は増えても木材は輸入頼みが続く　　　　　し　げん　　　ふ　　　　　　　もく ざい　　ゆにゅうだの　　　　つづ国産木材こく　さん　もく　ざい輸入木材ゆ　にゅう　もく　ざい66年71 76 81 86 90 95200207 12林野庁の統計から りん　や　ちょう　　　とうけい01020304050100020003000400050006000700080009000（億?） おく（万?）国内の森林資源量シカによる森林被害面積ひ　がい　めん　せき0100020003000400050006000（林野庁調べ） りん　や　ちょう（ha）1980年度ねん　ど90 2000 10昭和天てん皇のう、香こう淳じゅん皇こう后ごうを迎むかえて行われた、国土緑化大会の記き 念ねん植しょく樹じゅ。戦せん後ご 、全国の「はげ山」で植林が進められた＝１９５４年４月、兵ひょう庫ご 県神こう戸べ 市〈２０１３年１月７日掲けい載さい〉〈２０１３年１０月２３日掲けい載さい〉19